登谷・伝統建築講座
講師:登谷伸宏氏
(建築史家、京都工繊大准教授)
【登谷伸宏氏・自己紹介】(建築史家、京都工繊大学デザイン・建築学系 准教授)
日本の建築や都市の歴史を研究しています。現在は、中世から近世にかけて寺社建築や城下町がどのように変化したのか、その背景には一体何があったのかということに興味を持っています。ときには、各地に残る寺社や民家などの調査へ行くこともあります。調査では、それまで地元の方しか知らなかった素晴らしい建築に出会うことがあり、それを見つけることが調査の醍醐味のひとつとなっています。
☆2017年に、御著書『近世の公家社会と京都 集住のかたちと都市社会』(思文閣出版、2015年) が、 建築史学会 建築史学会賞を受賞。
☆アイリス京都では、これまでに京都御所研修と書院造研修をして頂きました。自分ではなかなか勉強できないことをいろいろと教えて頂き、大変有益でした。
2021年に行われた講座の動画を再度配信中。2月28日午後8時まで。
参加費:3200円(2回で)。アイリス制作レジュメ付き。
内容はこのページの下を見てください。
◆ 「日本建築の基礎(全2回)」 終了
◆ 12月21日(土)「室町時代の寺院建築とその空間」 募集開始
9時半~12時(最後の30分は質疑応答)
鎌倉時代以降の寺院建築は、造営技術の革新や、大仏様・禅宗様の影響により、平面形式・意匠・構造が大きく変化しました。現在まで続く寺院建築のかたちは、鎌倉時代から室町時代にかたちづくられたということができます。そこで、今回は、この時期に寺院建築がどのように変化したのか、それをうながした社会的背景はなんだったのかという視点から、鎌倉・室町時代の寺院建築とその空間についてお話ししたいと考えています。
◆ 「中世における大仏様・禅宗様の移入とその建築」 終了
12月17日(日)9時半~12時(最後の30分は質疑応答) 2023年
オンライン 見逃し配信 1月31日夜8時まで
参加費:2000円(先に振込)
鎌倉時代には、大仏様・禅宗様という新たな様式が中国からもたらされます。大仏様はおもに東大寺の復興に用いられ、禅宗様は禅宗寺院の様式として広く取り入れられていきました。
また、これらの様式は国内で徐々に受け入れられ、伝統に用いられてきた和様に大きな影響を及ぼしました。中世以降の寺社建築で両様式の影響を受けていないものは、ほとんとないといえるでしょう。
今回は、大仏様と禅宗様がどのようにして日本国内に移入され、どういった特徴を持つ建築がつくられたのか、両様式はいかに和様に取り入れられていったのかということを中心にお話ししたいと考えています。
参加費:2000円
◆ 「平安時代の寺院建築/浄土信仰と阿弥陀堂を中心として」 終了
8月20日(土)9時半~12時(講義2時間+質疑応答30分の予定)オンライン
(詳しい資料付) 2022年
平安時代の仏教は、それまでの南都六宗に加え天台宗・真言宗といった密教が
新たにもたらされたことにより、大きく展開していきました。そのなかで、
平安時代中期には阿弥陀信仰が高まり、多くの阿弥陀堂が造営されることとなり
ます。今回は、こうした阿弥陀信仰と阿弥陀堂との関係を中心として平安時代の
寺院建築について見ていきたいと思います。
参加費:2000円(申し込みされた方に、振込先をお知らせします)
申込: 次のことを明記の上、申し込み下さい。
1.名前 2.当日連絡が取れる電話番号
3.メールアドレス(できればPC) 4.Zoom入室時の名前(違う場合)
◆ 「神社建築を学ぶ(全2回)」 終了
全2回 1回目:7月4日(日)、2回目:7月18日(日)…連続物です
1回の講義は2時間半(質疑応答を含む) オンライン講座 2021年
【参加費】両方で3800円
第1回:神社本殿が造られ始めたのは、7世紀後半の天武朝。アマテラスを祀る伊勢神宮が造営され、班幣を行う官社制度が作られ、8世紀には社殿造営の命令が出る。有力な寺院では、9世紀には本殿成立が確認される。9世紀から11世紀にかけて様々な形式の本殿が造られたが、12世紀後半には限られた形式に収斂したと考えられる。寺院建築と比べ、現存の建物は比較的新しい(最古の神社本殿は平安期終わり)。
文化財保護の立場からは、神社本殿は屋根の形で大きく5つに分類。
①切妻造(神明造・出雲造・春日造)、②流造、③春日造、④入母屋造、⑤複合形式
その中で、本日は①から③までの構造、特徴を説明。
第2回:荒ぶる神をコントロールし災厄から逃れるため、神社本殿を造営して、神に常住してもらおうとしたとカ。今回は、本殿の類型として、より複雑な、④入母屋造(日吉造、八坂神社本殿)、⑤複合形式の構造・歴史・特徴を説明する。例えば、複雑な平面構造をもつ八坂神社本殿や北野天満宮本殿は、もとは単純な形式であり、後に複雑な形式に変化していった様子を、史料や平面構図からの痕跡で辿る。
また、古代末から中世に、神仏習合等の影響で、仏教建築が神社境内に出現し、神社建築のほうも仏教からの影響で、楼門や拝殿等が作られ、境内所施設が充実していく様を追う。近世以降の神社についての言及も少しあり。
◆ 「日本建築の基礎を学ぶ」 終了
全2回 1回目:1月24日(日)、2回目:3月14日(日)…連続物です
1回目:2時間(質疑応答含)、2回目:2時間半(講義のみ) オンライン講座 2021年
【参加費】両方で3200円 (事前振込。申し込まれた方に振込先をお知らせします)
第1回:「日本建築史」という学問は、いつ、いかに始まったか?
①日本建築の個性の探求(どこにどんなものがあるか。歴史建造物をどう評価するか)
②保存修理の開始
「平面形式」:桁行、梁間、もや、庇(ひさし)、平・妻、間面記法、
中世における建物の変化(梁間2間の制約からの解放)
第2回: 基礎と礎石、軸部、壁、組み物、小屋組と屋根
日本建築を大きく変えた最先端技術:貫、木鼻、桔木(はねぎ)、野屋根